
「動画を作りたいんですが、何秒くらいがいいですか?」というご質問には、いつも「どこで流しますか」と聞き返しています。
同じ動画をSNSにもホームページにも置けば効率がよさそうに見えますが、この2つは求められている役割が逆と言っていいほど違います。長さも、冒頭の作り方も、音の扱いも変わります。
SNSの動画は「止まってもらう」ための動画
SNSを見ている人は、まだあなたの会社に興味がありません。指を動かしている途中に、偶然その動画が流れてくるだけです。つまり最初の仕事は、指を止めてもらうことになります。
だから冒頭の2秒がすべてです。ここに会社名やロゴを置くと、見る側には何の情報でもないので流されます。いきなり本題、いちばん見せたい場面から始めてください。
長さの目安はこのあたりです。
- リール・ショート動画:15秒前後。長くても30秒。伝えたいことが2つあるなら2本に分けます
- ストーリーズ:1枚あたり5〜10秒。複数枚をつないで、テンポで見せます
- SNS広告:6〜15秒。スキップされる前提で、冒頭に結論を置きます
- YouTubeの解説:3〜7分。ここだけは腰を据えて見てもらえる場所なので、長くて構いません
音は出さずに見られる前提で作ります。字幕は必ず入れてください。話している内容が全部消えても意味が通じるか、音を切って一度確認してみると分かります。
Webサイトの動画は「すでに来た人」に見せる動画
ホームページを開いた人は、もう自分の意思でそこに来ています。振り向かせる必要がありません。ここでの動画の役割は、写真では伝わらない空気や動きを、短く感じてもらうことです。
トップページの最上部で流す映像は、6〜10秒のループが扱いやすい長さです。音は鳴らさず、文字も入れず、背景として静かに動く。ここで長い映像を流しても、最後まで見る人はほとんどいません。
会社紹介の動画なら90秒から2分。採用ページの社員インタビューなら2〜3分。商品の使い方の説明なら1分前後。目的のあるページに来た人は、必要だと思えばそれなりに見てくれます。
1本で全部を賄おうとしない
よくあるのが、会社紹介の3分の動画を1本だけ作って、それをSNSにもトップページにも貼るという進め方です。予算を考えれば自然な発想ですが、たいていどちらでも中途半端になります。
SNSでは長すぎて最後まで見られず、トップページでは重すぎて表示が遅くなる。結果として、どちらの場所でも役割を果たしません。
現実的なのは、撮影を1回にまとめて、そこから用途別に切り分ける作り方です。同じ素材から、15秒のSNS用と、8秒のループ用と、90秒の会社紹介を作る。撮影は1日で終わり、編集だけが増える形になります。台本の段階で「この場面はSNS用に切り出す」と決めておくと、後の作業が楽になります。
Webに動画を置くときの技術的な注意
ここは制作会社としてお伝えしておきたい部分です。動画はファイルが重く、扱いを間違えるとサイトの表示速度がはっきり落ちます。速度が落ちれば、検索での評価にも、離脱率にも響きます。
- 自動再生する動画は、音を切った状態でしか再生されません。音ありきの構成にしないでください
- スマホでは動画を止めて静止画に切り替える作り方もあります。通信量の負担を減らせます
- ファイルは圧縮して軽くします。数十MBの動画をそのまま置くと、開くまでに時間がかかります
- YouTubeに置いて埋め込む方法もありますが、再生後に他社の動画が表示される場合があります
撮影のときに気をつけているのは、縦と横の両方で撮っておくことです。SNSは縦画面、ホームページは横長が基本になるため、片方でしか撮っていないと、後から使い回すときに端が切れてしまいます。人物が中央に来るように余白を多めに撮っておくと、どちらの形にも切り出せます。撮り直しには費用も日程もかかるので、この一手間は先に済ませておいてください。
費用の目安と、作らなくていい場合
弊社の場合、SNS用の短い動画は6万円から、ホームページのファーストビューに使う動画は12万円からで承っています。撮影日数、出演者の人数、ナレーションや字幕の量で変わります。
すでにお手元に写真や過去の映像があるなら、新しく撮影せずに編集だけで形にできる場合もあります。工場の稼働の様子や、イベントのときに撮った素材が眠っていることは珍しくありません。まず素材を見せていただくところから始めるほうが、費用は抑えられます。
それから、動画がなくても困らないサイトもあります。写真とテキストで十分に伝わる商材で、更新の手間も増やしたくない場合は、無理に作る必要はありません。動画は作って終わりではなく、内容が古くなれば撮り直しが要ります。3年後も使えるかどうかを、先に考えておいてください。
迷われていることがあれば、一度お聞かせください。制作したものは制作実績のページでご覧いただけます。





