
こんにちは、株式会社KOiKiの中谷です。福井は眼鏡、繊維、化学、機械と、ものづくりの会社が集まっている土地です。そうした企業さまからのご相談で、必ず出てくる言葉があります。
「うちはBtoBだから、ホームページは名刺代わりでいい」
数年前まではそれで回っていました。今は状況が変わっています。仕入先を探す担当者は、展示会や紹介より先に検索します。そしてサイトを見て候補から外す作業を、問い合わせる前に済ませています。
発注担当者は「加工方法+材質」で検索する
会社名で探されることは、ほとんどありません。実際に打ち込まれるのは、こういう言葉です。
- 「アルミ 切削加工 小ロット」
- 「ステンレス 溶接 試作」
- 「樹脂 射出成形 短納期」
つまり、会社概要と事業内容しか書いていないサイトは、この検索に一度も引っかかりません。加工方法ごと、材質ごとにページを分けるのが、製造業サイトの基本形になります。
設備一覧は、想像以上に見られています
発注側は「この会社にうちの図面を出せるか」を判断したい。そのために見るのが、設備の一覧です。
- 機械のメーカー名と型式、台数
- 加工できる寸法の範囲(最大◯◯mmまで)
- 対応できる材質
- 公差の目安
- 対応ロット(1個からか、100個からか)
ここが具体的なほど、問い合わせの件数は減って商談は増えます。合わない案件が入ってこなくなるからです。見積もりの手間が減るという意味でも、書く価値があります。
実績は、社名を出さなくても書けます
取引先の名前を出せないケースは多いです。それでも実績は書けます。
「自動車部品メーカー向け/アルミ切削/月産3,000個/リードタイム10日」。この粒度なら守秘義務に触れずに、力量が伝わります。写真も、図面や刻印が写らない角度を工夫すれば掲載できることがあります。取引先に一度確認を取れば、社名の掲載を許可してもらえる場合もあります。
品質と体制を書く
初めて取引する会社を選ぶとき、担当者は社内で稟議を通す必要があります。その材料になるのが、次の情報です。
- ISOなどの認証と、取得した年
- 検査設備と検査の体制
- 納期遵守や不良率に対する考え方
- 従業員数と年齢の構成
- 災害時の対応や事業継続の備え
特に従業員の年齢構成は、「この会社は10年後も続くか」を見る指標として読まれています。若手が写っている写真は、それだけで説得力があります。
福井の会社が持っている強みを言語化する
県外や海外の企業から見たとき、福井の製造業には分かりやすい強みがあります。多品種少量への対応力、二次三次まで含めた地域内の分業、そして工程を通しで見られる技術者がいること。
ただ、この強みは社内では当たり前になっていて、書かれないままのことが多いです。「うちは特別なことはしていません」とおっしゃる会社ほど、外から見ると珍しい体制を持っています。
関西や中京圏からの引き合いを狙うなら、福井からの距離と輸送日数も書いておくと親切です。北陸新幹線が福井まで延伸してから、打ち合わせのしやすさは確実に変わりました。
製造業のサイトでよくある失敗が、社長挨拶と沿革だけが手厚く、技術の中身がほとんど書かれていない構成です。読んでいるのは発注担当者で、社史を知りたいわけではありません。会社の歴史は1ページに収めて、その分を加工事例と設備の説明に回してください。
写真が工場の外観だけ、というケースも多いです。機械が動いている様子、加工中の切粉、検査室。中で何が起きているかが見える写真のほうが、発注側にとっては価値があります。
問い合わせは、図面が送れる形にしておく
製造業の問い合わせは、文章だけでは成立しません。図面やスケッチ、写真を送れないと、担当者は電話をかけ直すか、メールを別に立てることになります。その手間で止まる案件があります。
フォームにファイルを添付できる仕組みを入れておいてください。あわせて、返信までの目安日数を書いておくと親切です。「2営業日以内にご返信します」と書いてある会社と、何も書いていない会社。急いでいる担当者がどちらを選ぶかは、はっきりしています。
海外や県外からの引き合いを本気で狙うなら、英語の会社概要と技術ページを1枚ずつ用意する方法もあります。全ページを翻訳する必要はありません。何ができる会社かが伝わり、連絡先が分かれば、最初の一歩としては足ります。
採用も同じサイトが担っています
製造業のサイトは、取引先と求職者の両方が見ます。福井の高校生やその保護者は、会社名を検索してから応募を決めます。取引先向けの技術情報と、採用向けの働く様子。この二つの入り口をトップページで分けておくと、どちらにも届きます。
まとめ
加工方法と材質でページを分け、設備を具体的に書き、社名を伏せたまま実績を出し、品質体制と人を見せる。この4つが揃うと、会社サイトは営業担当と同じ働きをします。
どこから手をつけるかは、会社によって違います。検討の段階で構いません、声をかけてください。





