「うちはBtoBだから、ホームページはあんまり関係ないんだよね」。製造業の社長さんから、この言葉を何度聞いたか分かりません。取引は昔からの付き合いと紹介で回っている。ホームページは会社概要が載っていれば十分。そういう感覚、よく分かります。
でも、ここ数年で状況ははっきり変わってきていると感じます。発注側の調達担当者や設計者が、新しい取引先を探すとき、電話帳ではなくまず検索するようになったからです。「〇〇加工 小ロット」「△△ 試作 短納期」。そんな検索の受け皿になれるかどうかで、出会える引き合いの数が変わる時代なんです。
今日は、製造業・BtoBの会社がWebサイトで引き合いを取るために何をすべきか、具体的にお話しします。
BtoBの検索は「会社名」ではなく「困りごと」で行われる
発注側の立場で考えてみてください。既存の外注先が廃業した、今の取引先では対応できない加工が出てきた、コストを見直したい。そういう「困りごと」が起きたときに、担当者は検索します。
このとき検索されるのは、あなたの会社名ではありません。「材質 加工方法 地域」「〇〇 メーカー 対応」といった、困りごとの言葉です。つまり、会社名で検索しないと出てこないサイトは、新規の引き合いには実質ノーチャンスなんですね。会社案内だけのサイトが引き合いを生まないのは、内容が悪いからではなく、そもそも検索の入り口に立てていないからなんです。
逆に言えば、BtoBの専門的なキーワードは検索する人こそ少ないものの、競合サイトも少ないため、しっかり作れば上位に入りやすい。1件の受注額が大きいBtoBでは、月に数件のアクセスでも商談につながれば十分に元が取れます。ここがBtoCとの大きな違いです。
載せるべきコンテンツは、この4つ
では何を載せるか。発注担当者が知りたい順に挙げます。
- 加工事例・製作実績:何ができる会社かは、言葉より実物が雄弁です。材質・サイズ・精度・ロット数まで書けると、検索にも商談にも効きます
- 設備一覧:機械の名称や仕様は、専門家が「ここに頼めるか」を判断する重要情報です。BtoBでは設備ページが意外なほど見られます
- 対応範囲の明示:小ロット対応、短納期対応、試作からの相談可否など。「これくらいの相談でもいいのか」が分かると問い合わせが増えます
- 技術情報の発信:加工のノウハウや材質の選び方などの記事は、専門キーワードでの検索の入り口になり、技術力の証明にもなります
注意点をひとつ。取引先名や製品が特定される事例は、掲載前に必ず先方の許可を取ってください。守秘義務が絡むBtoBでは、ここを雑にすると信頼問題になります。社名を伏せて「自動車部品メーカー様」のように書く方法もあります。
問い合わせのハードルを徹底的に下げる
せっかくサイトに来てもらっても、問い合わせの入り口が「お電話ください」だけでは、もったいないんです。発注担当者は日中忙しく、まずはメールで打診したい人が多い。
- 問い合わせフォームには図面やファイルを添付できるようにする
- 「概算見積もりだけでも歓迎」と明記する
- 返信の目安(例:2営業日以内)を書く
- 電話・メール・フォームなど、複数の窓口を用意する
「こんな段階で問い合わせていいのかな」という遠慮を取り除くひと言があるだけで、引き合いの数は変わってきます。
それから、忘れてはいけないのが採用への効果です。技術や設備がきちんと見えるサイトは、取引先だけでなく求職者にも「ちゃんとした会社だ」という印象を与えます。製造業の人材確保が厳しい今、引き合い獲得用に整えたコンテンツが、そのまま採用の武器にもなる。一石二鳥の投資だと思うんです。
公開して終わりでは、引き合いは来ません
正直にお伝えすると、BtoBサイトは公開してすぐ問い合わせが殺到する、というものではありません。専門キーワードで検索されるようになるまで、コンテンツを足しながら育てる期間が必要です。
ただ、育てれば確実に資産になります。私たちが支援した繊維業の会社では、伝えるべき内容を整理してページを追加し、広告と組み合わせることで販売数が1.3倍になりました。また、別の士業のお客様では月2回の定例分析を続けて半年でPVが20倍に。数字を見ながら改善を続けることが、業種を問わず一番の近道だと実感しています。
まとめ
製造業・BtoBの会社がWebで引き合いを取る鍵は、「困りごとの言葉で検索される受け皿」を作ることです。加工事例、設備一覧、対応範囲、技術情報を整備し、問い合わせのハードルを下げ、公開後も育て続ける。地味ですが、この積み重ねが、紹介頼みだった販路に新しい入り口を作り、採用にも効いてくれます。
「うちの技術、どう見せたら伝わるだろう」という段階からのご相談も歓迎です。お気軽にご相談ください。Web制作サービスのページもあわせてご覧いただければと思います。

