
KOiKiの中谷です。採用サイトのご相談で最初に伺うのは、「書きたくないことは何ですか」という質問です。
変な聞き方ですが、理由があります。求職者が知りたい情報のかなりの部分は、会社が書きたくない側にあるからです。良いことだけを並べたページは、読む人にとって何も書いていないのと同じになります。
「アットホームな職場です」が効かない理由
この一文は、ほとんどの中小企業の採用ページに載っています。だからこそ、読む人はそこを読み飛ばします。全社が同じことを言っている言葉は、判断の材料になりません。
「風通しがいい」「若手が活躍」「やりがいのある仕事」も同じです。悪い言葉ではないのですが、これらは会社の側から見た評価であって、事実ではありません。事実とは、何人いて、何歳の人がいて、1日にどんな順番で何をして、何時に帰るか。読む人が頭の中で映像を作れる情報が事実です。
書くべき「本当のこと」6つ
- 仕事のきつい部分。繁忙期がいつで、そのときどれくらい忙しいか。立ち仕事なのか、重いものを運ぶのか。ここを隠して入社されると、早く辞められて双方が損をします
- 給与の考え方。金額そのものだけでなく、何が評価されて上がるのか。年功なのか、成果なのか。基本給と手当の内訳も書けるなら書いてください
- 1日の流れ。始業から退勤まで、実際の時間割を並べる。休憩がいつ取れるかまで書いてあると、生活を想像してもらえます
- 向いていない人。「こういう働き方を求める方には合いません」と書くのは勇気が要りますが、これがある会社は信用されます
- 会社の規模と構成。従業員数、平均年齢、男女比。小さい会社であることは弱点ではなく、選ぶ理由にもなります
- 辞めた人がいること。定着率が高くないなら、その理由と、今どう変えているかを書く。都合の悪い数字を伏せたページは、面接で必ず食い違います
全部を書き切る必要はありません。ただ、書けるものが1つも見つからない場合は、採用ページ以前に社内の状況を整理する段階にあります。
順番も考えてください。仕事の内容、働く人、条件、応募方法。この並びが基本です。会社の沿革や理念を先頭に置いているページは多いのですが、読む人が最初に確かめたいのは「自分に務まる仕事か」です。理念は、その先を読んでもらえてから効いてきます。読む順番を、書き手の都合ではなく読み手の関心に合わせる。これだけで、最後まで読まれる割合が変わります。
弊社が採用ページに書いていること
自社の話をします。弊社の採用方針は「スキルより人となりを見る」です。制作会社なのに技術で選ばない、と驚かれることがあります。
理由は単純で、技術は入社後に伸びるからです。ソフトの操作もコードの書き方も、半年あればかなり変わります。一方で、お客様の話を最後まで聞けるか、分からないことを分からないと言えるか、締切の前に相談できるか。この部分は簡単には変わりません。
そしてこの方針は、応募する側にとっても情報になります。ポートフォリオの完成度で落とされるのではないと分かれば、未経験の方も応募しやすくなる。逆に「腕一本で評価してほしい」という方には合わない会社だと、先に分かってもらえます。方針を書くというのは、来てほしい人を集めることであると同時に、合わない人に立ち止まってもらうことでもあります。
面接に来る前に、必ず読まれています
採用ページを見るのは、応募を迷っている人だけではありません。面接の前日、志望動機を考えるために読み直す人がいます。内定を出したあと、家族に見せる人もいます。
だから、書いてある内容と面接で話す内容がずれていると、その場で気づかれます。「サイトには残業が少ないと書いてありましたが」と聞かれて、答えに詰まる。ここで信頼が崩れます。
ページを公開する前に、面接を担当する方が必ず全部読んでください。書いた内容を自分の言葉で説明できるか。ここが一致していれば、採用ページは面接の下準備としても働きます。
写真と文章は、飾りすぎない
採用ページの写真で、他社から借りてきたような明るいオフィスの画像を使うと、面接に来た瞬間に落差が出ます。実際の事務所を、実際の明るさで撮ってください。散らかっていて困る場所だけ片付ければ十分です。
社員の写真も、全員が笑顔で並ぶ集合写真より、仕事をしている手元や、話し合っている場面のほうが伝わります。地方の中小企業に応募する方が見ているのは、華やかさではなく、ここで数年働く自分を想像できるかどうかです。
採用サイトは、応募数を増やすためだけの道具ではありません。合わない方に応募を見送ってもらうことも、同じくらい大切な役目です。母集団が増えても、面接の時間が増えるだけで採用が決まらない、という状態が続いている会社は、書いている内容を疑ってみてください。
何を書けばいいか分からないという段階でも、お気軽にご相談ください。制作したサイトは制作実績のページに載せています。




