COLUMN

クリニック・歯科サイトで書けないこと。医療広告ガイドラインの基本

2026.07.26

クリニックや歯科医院のホームページ制作には、他の業種にはない特有のハードルがあります。医療広告ガイドラインです。

「ビフォーアフターの写真って載せていいの?」「患者さんの声は?」「地域No.1って書いたらダメ?」。制作の現場では、こうした表現の可否の確認が必ず発生します。知らずに作ると、あとで大幅な修正が必要になることもあるんです。

今日は、Web制作会社の立場から「書けないことの代表例」と基本の考え方をご紹介します。ただし、最初に大事なことをお伝えします。私たちは医療広告の法律専門家ではありません。この記事は概要の理解を助けるためのもので、個別の表現の可否については、必ず最新のガイドラインをご確認の上、行政の窓口や専門家にご相談ください。ガイドライン自体も改正されることがあります。

そもそも医療広告ガイドラインとは

医療は、人の健康や生命に関わる分野です。誇大な広告で患者さんが不利益を受けることがないよう、医療法にもとづいて広告表現のルールが定められています。それを具体的に示したものが、いわゆる医療広告ガイドラインです。

かつてホームページは「広告ではない」とされていた時期もありましたが、現在はホームページも規制の対象に含まれると理解されています。つまり、クリニックのサイトは「自由に書いていい場所」ではないんですね。SNSやWeb広告など、他の発信手段も同様に注意が必要とされていますので、発信全体でこの意識を持っておくことが大切です。

「書けないこと」の代表例

一般に、次のような表現は問題になりやすいとされています。

  • 虚偽の内容:事実と異なることは当然NGです
  • 比較優良広告:「地域No.1」「県内随一の実績」など、他と比べて優れていると示す表現
  • 誇大広告:「絶対に治る」「必ず効果がある」など、効果を保証するような表現
  • 患者さんの体験談:治療の内容や効果に関する体験談の掲載は、原則として認められないとされています
  • ビフォーアフター写真:単純に載せることはできず、治療内容・費用・リスクや副作用などの詳細な説明を併記するなど、条件を満たす必要があるとされています
  • 公序良俗に反する内容や、品位を損ねる表現

「うちは事実を書いているだけ」と思っていても、見せ方によっては誇大・比較にあたる可能性があります。たとえば実際の症例数でも、見せ方次第で優良性を強調する表現と受け取られることがあり得ます。判断に迷う表現は、載せる前に確認するのが安全です。

「限定解除」という考え方もあります

一方で、すべてが一律に禁止というわけでもありません。一定の条件(問い合わせ先の明記など)を満たした場合には、通常は広告できない事項も掲載できる「広告可能事項の限定解除」という仕組みがあるとされています。自由診療の情報などは、この仕組みと関わってきます。

ただ、この条件の解釈はかなり細かく、私たちも案件ごとに最新の情報を確認しながら進めています。「限定解除すれば何でも書ける」わけではない点にはご注意ください。詳細は必ず専門家や最新のガイドラインでご確認いただければと思います。

制作会社として、私たちができること

では、ルールを守りながら選ばれるサイトは作れないのかというと、そんなことはありません。むしろ、書けないことが多いからこそ、書けることの質で差がつく分野だと感じています。

  • 診療方針や院長の考え方を、誠実な言葉で伝える
  • 院内の雰囲気やスタッフの人柄が伝わる、実際の写真を使う
  • 診療の流れ、費用、アクセスなど、患者さんが不安に思う情報を分かりやすく整理する
  • 症状に関する正確で役立つ情報発信を続ける

誇大な表現に頼らなくても、「ここなら安心して通えそう」と感じてもらう作り方はできるんです。私たちはデザインと情報設計でそこをお手伝いし、表現の最終確認は医療機関様と専門家にお願いする、という役割分担で進めています。

また、検索対策の面でも、実は誠実なサイトのほうが強いと感じています。症状や診療内容について正確で分かりやすい情報を積み重ねているサイトは、患者さんに読まれ、結果として検索でも評価されやすくなります。派手な宣伝文句ではなく、丁寧な情報提供こそが、ルールを守りながら選ばれるための一番の近道ではないでしょうか。

まとめ

クリニック・歯科のホームページには、比較優良広告や誇大広告の禁止、体験談やビフォーアフター写真の掲載制限など、医療広告ガイドラインにもとづく表現のルールがあります。知らずに作ってしまう前に、企画の段階からルールを意識しておくことが大切です。一方で、限定解除の仕組みもあり、誠実な情報発信で信頼を得る道は十分にあります。

繰り返しになりますが、個別の表現の可否は、必ず最新のガイドラインと専門家にご確認ください。ルールをふまえたサイト作りのご相談は、お気軽にどうぞ。Web制作サービスのページもあわせてご覧ください。

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株式会社KOiKi 代表取締役 中谷 蓉織

代表取締役 中谷 蓉織

福井市を拠点に、Web・広告・グラフィック・パッケージなど幅広いデザイン分野で
16年以上のキャリアを持つクリエイティブディレクター。 企業や店舗のブランディング、Webサイト制作、SNS運用、広告設計など、トータルな集客支援を行う