
「今年、うちが使えそうな補助金ってありますか?」
年明けと年度末が近づくと、この質問が一気に増えます。ただ、答えるのが難しい質問でもあります。制度は毎年のように要件が変わり、公募の時期も前後するからです。
そこで今回は、KOiKiが実際に関わっている2つの制度にしぼって、1年の流れとして整理してみます。金額や要件はここに書いた通りとは限りませんので、検討される際は必ず最新の公募要領をご確認ください。
先に、私たちができることとできないこと
補助金の話をする前に、立場をはっきりさせておきます。
- できること:どんな取り組みが補助の対象になりやすいか、事業計画にWebの施策をどう位置づけるかのご相談。見積書の作成。実施後の実績報告に必要な書類(納品物の資料など)の準備
- できないこと:申請書の作成代行そのもの。KOiKiは行政書士業を行っていません
- その場合どうするか:申請までしっかり見てほしいという場合は、お付き合いのある行政書士をご紹介します
もうひとつ。採択は保証できません。私たちが関わった案件でも、通らなかったことがあります。「うちなら必ず通ります」と言い切る業者がいたら、そこは一度立ち止まって確認してください。
制度1:小規模事業者持続化補助金
小規模事業者向けの、販路開拓を支援する制度です。従業員数の要件があり、商業・サービス業と製造業などで基準が違います。
ホームページ制作、Web広告、チラシ、展示会出展といった「新しいお客様を取りに行くための費用」が対象になります。Webに関する経費には区分ごとの上限が設けられているため、制作費をいくらかけても補助が増え続けるわけではありません。ここを知らずに大きな計画を立てて、あとで調整することになるケースをよく見ます。
申し込みまでの流れ
- 商工会議所または商工会に相談し、支援機関の確認を受ける(この書類の発行に時間がかかります)
- 事業計画書を書く
- 制作会社などから見積書をもらう
- 締切までに申請する
1番目でつまずく方が多いです。締切の直前に駆け込んでも、支援機関側の手が回らないことがあります。締切の1ヶ月以上前には相談を始めておくぐらいの余裕を見てください。
だいたいの時期感
年に複数回の公募があるのが通例です。締切がずれることも珍しくないので、公募回の予定は公式サイトで直接ご確認ください。
制度2:ふくいDX加速化補助金
福井県の制度です。名前の通り、デジタルを使った業務改善や新しい売り方への挑戦を支援するもので、持続化補助金より規模の大きい取り組みに向いています。
KOiKiでこの制度を使ったお客様では、ECサイトの構築とあわせて受注から出荷までの流れを見直した案件、社内の管理業務を自前のツールに置き換えた案件が採択されました。共通していたのは、「ホームページを作りたい」ではなく「この作業をこう変えたい」から話が始まっていたことです。
制度の性格上、審査で見られるのは見た目の刷新ではなく、業務や売上の構造がどう変わるかです。単なるサイトリニューアルとして書くと、通りにくくなります。
こちらも早めの準備が要ります
- 公募期間が短めに設定されることがある
- 事業期間(いつまでに完了させるか)が決まっている。制作が間に合わないと支払いに間に合わない
- 発注先の見積書が要る
3番目のために、公募が始まってから制作会社を探し始めると間に合わないことがあります。制度を使うつもりなら、事業者選びは公募前から。
見落とされやすい3つのこと
1. 補助金は後払いです
採択されても、その時点でお金が振り込まれるわけではありません。いったん全額を自社で支払い、実績報告を出して、審査を経てから入金されます。制作費が50万円なら、まず50万円を用意する必要があります。
入金までの期間は制度や年度によって違いますが、数ヶ月かかることは珍しくありません。資金繰りの計画に、この時間差を必ず入れておいてください。
2. 対象にならない経費があります
- サーバー代・ドメイン代などの継続的にかかる費用(対象外とされることが多い)
- 汎用性が高く、他の用途にも使えるもの(パソコンなど)
- 申請前に発注・支払いをしてしまったもの
3番目が特に痛いです。「早く進めたいから」と交付決定の前に着手すると、その分は補助の対象から外れます。着手のタイミングは、必ず事務局のルールを確認してから決めてください。
3. 実績報告のほうが大変です
申請が通ったところで終わりではありません。完成したものの証拠、支払いを証明する書類、成果の報告。ここで手間取る会社がとても多いです。
私たちは納品時に、報告に使える資料(画面のキャプチャ、納品書、仕様の一覧)をまとめてお渡しするようにしています。制作会社を選ぶときに「実績報告に必要な書類は出してもらえますか」と聞いておくと、あとが楽になります。
IT導入補助金について聞かれたら
よく名前が挙がる制度ですが、KOiKiはIT導入支援事業者の登録をしていないため、この制度を使ったご依頼はお受けできません。ホームページ制作そのものは対象になりにくい制度でもあります。
会計ソフトや業務システムの導入で活用されている会社は実際にありますので、制度が悪いという話ではありません。私たちが扱える範囲の外にある、というだけです。使いたい場合は、登録されている支援事業者にご相談ください。
1年の組み立て方
制度に振り回されないために、順番を逆にすることをおすすめします。
- まず「何を変えたいか」を決める(問い合わせを増やす/ネットで売る/社内の作業を減らす)
- それに合う制度があるか調べる
- 締切の2〜3ヶ月前から支援機関に相談する
- 補助金が使えなくても、規模を縮めて実行できる案を用意しておく
4番目が抜けている計画は、不採択になった瞬間に止まってしまいます。補助金は計画を後押しするものであって、計画そのものではありません。
補助金を前提にすべきか、自己資金で進めるべきか。判断に迷ったら、遠慮なく聞いてください。制作費の目安は料金ページに載せています。





