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ふくいDX加速化補助金でECサイトや社内DXシステムを導入する方法

2026.07.10最終更新 2026.09.09

補助金・お金

ふくいDX加速化補助金でECサイトや社内DXシステムを導入する方法

KOiKiの中谷です。「ネット販売を始めたい」「予約の電話対応に追われていて、システムを入れたい」。そんなご相談をいただいたとき、選択肢のひとつとしてお話しするのが補助金です。

福井県内の会社の場合、この初夏、私たちがご案内することが多かったのが、「ふくいDX加速化補助金」です。県が実施している制度で、デジタルツールの導入を支援してくれます。

今日はこの制度について、仕組みと、申請の前に考えておいてほしいことを正直にお話しします。なお、制度の内容は年度ごとに変わりますので、実際に検討される際は必ず最新の募集要領をご確認ください。

ふくいDX加速化補助金とは

福井県内の中小企業・小規模事業者が、デジタルツールを導入して生産性を上げたり、業務のやり方を変えたりする取り組みを支援する制度です。以前はふくい産業支援センターが実施していましたが、令和8年度からは福井県が直接実施しています。

  • 対象者:福井県内に所在する中小企業者・小規模事業者
  • 補助率:2分の1(小規模事業者は3分の2)
  • 補助上限額:400万円(下限30万円)
  • 対象:デジタル技術を活用した機械装置やシステム、ソフトウェアなど

まず注目していただきたいのが上限400万円という規模感です。持続化補助金の通常枠が50万円であることを考えると、かなり大きい制度だとわかると思います。下限が30万円に設定されているので、「少額の投資には使えないが、本気で取り組むなら心強い」という位置づけですね。

それと、小規模事業者は補助率が3分の2に上がります。小さな会社ほど手厚くなる設計なので、該当する場合は必ず確認してください。

どんな取り組みが対象になるのか

対象は「デジタルツール」と定義されていて、デジタル技術を活用した機械装置やシステム、ソフトウェアなどが含まれます。補助対象経費としては、システムの購入費用、開発の外注費・委託費、専門家への謝金、クラウドサービスの利用料といったものが挙げられます。

弊社がお手伝いした中では、たとえばこういった取り組みで採択されたケースがあります。

ECサイトの構築を、受注業務の改善とセットで組んだケース

ShopifyやMakeShopでネットショップを立ち上げるとき、単に「売る場所を増やす」だけで終わらせず、社内の受注フローそのものを見直すという組み立て方をしました。

受注をメールやFAX、電話でバラバラに受けていたものを一本化する。在庫の情報が店舗とネットで別々になっていたのをつなぐ。店舗のPOSシステムの入れ替えまで含めて、「注文を受けてから発送するまで」を一つの流れとして設計し直す。ここまで踏み込むと、単なるサイト制作ではなく業務の変革になります。

あわせて多言語対応と海外向けの販売を組み込んだケースもあります。福井には、国内では知られていなくても海外で評価される可能性のある商材が本当に多いんです。そこへ販路を広げるための仕組みとして位置づけました。

社内向けの管理ツールを開発したケース

お客様に見える部分だけがDXではありません。営業活動の記録、顧客管理、受注管理といった社内の業務を回すためのツールを開発して採択されたケースもあります。

「担当者の頭の中にしか情報がない」「Excelが人ごとに分かれていて、誰が何をしているか分からない」。こういう状態は、小さな会社ほど起きやすいものです。ここを整えると、日々の手間が減るだけでなく、人が入れ替わっても業務が止まらなくなります。

共通しているのは「業務がどう変わるか」を書けたこと

並べてみると分かるのですが、採択されたケースはどれも「何を導入したか」ではなく「業務のどこが、どう変わるか」を説明できた計画でした。

「ECサイトを作りたい」だけでは、販路開拓の話であってDXの話にはなりにくい。でも「いまバラバラに受けている注文を一本化して、在庫と連動させて、担当者の確認作業を減らす。その入り口としてECサイトを作る」なら、業務の変革として筋が通ります。同じ制作物でも、どこに位置づけるかで見え方が変わるということです。

もちろん、これは過去に採択された事例であって、同じ内容なら通るという保証ではありません。制度の要件も審査の観点も年度ごとに変わります。あくまで「こういう組み立て方がある」という参考としてお読みください。

大事なのは、「デジタル化そのもの」が目的ではないという点です。生産性を上げる、業務のやり方を変える。そこにつながる取り組みであることが前提になります。「ツールを入れたい」ではなく「この業務のここが大変で、こう変えたい」から始めるほうが、計画としても通りやすいですし、導入後も無駄になりません。

申請の前に考えておいてほしいこと

補助金は後払いです

多くの補助金と同じで、この制度も後払いです。導入費用はいったん全額ご自身で支払い、あとから補助分が戻ってきます。上限400万円という規模だけに、手元資金の計画は特に大事になります。

交付決定の前に発注しないでください

補助金全般に共通するルールですが、交付決定より前に契約・発注したものは対象外になるのが原則です。「早く進めたいから」と先に動いてしまい、あとで対象外と分かる。これは本当によくある失敗です。

事業を実施できる期間も決まっています。令和8年度の場合は、交付決定の日から令和9年1月31日まででした。この期間内に導入を終えて、支払いまで済ませる必要があります。スケジュールは思ったよりタイトです。

採択されるとは限りません

これは声を大にして言いたいのですが、補助金は申請すれば必ずもらえるものではありません。計画書の内容次第で不採択になることも普通にあります。

私たちも「絶対に採択されます」とは言えませんし、そう言う業者がいたら少し警戒したほうがいいと思います。採択を保証する言葉は、誰にも使えないはずなんです。

だからこそ、おすすめしたいのは「補助金が取れたらラッキー、取れなくてもやる価値がある計画」を立てることです。その投資が本当に必要なら、必要性は補助金の有無で変わらないはずですよね。

入れたあとに使い続けられるか

意外と見落とされるのがここです。補助が出るのは導入のタイミングだけで、その後の利用料やメンテナンス費用は自社で払い続けることになります。

「補助金があるうちは回っていたけれど、翌年から誰も使わなくなった」というお話も聞きます。導入前に、補助がなくても払い続けられる金額か、社内に使い続けられる人がいるかを確認しておいてください。

他の補助金との使い分け

「うちの場合はどれを使えばいいのか」というご質問もよくいただきます。ざっくりした考え方をお伝えします。

  • ふくいDX加速化補助金:業務の仕組みを変えるような、まとまった投資をするとき。上限400万円と大きい
  • 小規模事業者持続化補助金:ホームページや広告など、販路開拓の取り組み。通常枠は上限50万円

大きく言うと、DX加速化は「社内の仕組みを変える」、持続化は「新しいお客様を増やす」という違いです。どちらが合うかは、やりたいことの中身によります。

持続化補助金については小規模事業者持続化補助金でホームページは作れる?という記事で詳しく書いています。

私たちができること・できないこと

ここははっきりさせておきます。

わたしは、「この取り組みなら、どういう組み立て方ができそうか」という企画のご相談や、企画書のアドバイス程度はお手伝いできます。

上でご紹介したように、同じECサイト制作でも「業務のどこを変えるか」まで含めて設計できるかどうかで、計画の見え方は変わります。実際に手を動かして作る側だからこそ書ける部分があると思っていて、そこはお役に立てるはずです。

一方で、行政書士業(申請の代行)は行っておりません。申請そのものについては、お知り合いの行政書士さま、もしくは弊社からおすすめの行政書士をご紹介いたします。

制度そのもののご質問は、県の事務局が窓口になっています。

  • ふくいDX加速化補助金 事務局:0776-36-4060
  • メール:info@fukui-dx-support.jp

まとめ

  • ふくいDX加速化補助金は、福井県内の中小企業・小規模事業者が対象
  • 補助率は2分の1、小規模事業者は3分の2。上限400万円(下限30万円)
  • 対象はデジタルツールの導入。「デジタル化」ではなく「業務がどう変わるか」が問われます
  • 後払い・交付決定前の発注は対象外・事業期間が決まっている
  • 採択は保証されません。補助金がなくてもやる価値がある計画を立ててください
  • 導入後に使い続けられるかも、事前に考えておいてください

募集の時期は年度ごとに変わります。令和8年度は6月末で締め切られました。次の募集、おそらく来年になるかと思いますが、次回に向けて準備したいという段階でしたら、いまのうちに「何をどう変えたいか」を整理しておくと動きやすくなります。

「うちの場合はどの制度が合いそうか」という段階のご相談でも大丈夫です。お気軽にお声がけください。

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株式会社KOiKi 代表取締役 中谷 蓉織

代表取締役 中谷 蓉織

福井市を拠点に、Web・広告・グラフィック・パッケージなど幅広いデザイン分野で
16年以上のキャリアを持つクリエイティブディレクター。 企業や店舗のブランディング、Webサイト制作、SNS運用、広告設計など、トータルな集客支援を行う