
KOiKiの中谷です。ネットショップのご相談で、商品写真の話になると、たいてい空気が重くなります。
「うちの商品、写真映えしないので」と言われることが多いのですが、映えないのは商品ではなく撮り方であることがほとんどです。同じ商品を撮り直しただけで動きが変わることは、珍しくありません。
今日は、自分たちで撮るときのコツと、プロに頼むべき場面の線引きを書きます。
売れる写真と売れない写真の違いは、明るさと情報量
技術的な話に入る前に、原則をひとつ。ネットで商品を買う人は、手に取れません。写真だけが手ざわりの代わりです。だから必要なのは「かっこいい写真」ではなく、触った感じが想像できる写真です。
売れていない商品ページを見ると、たいていこのどちらかです。
- 暗い。全体に灰色がかっていて、色が沈んでいる
- 写真が1枚しかない。正面からの1カットだけで、裏側もサイズ感も分からない
自分で撮るなら、この5つだけ守る
1. 窓際で、昼に撮る
照明機材より、まず自然光です。晴れた日の午前中、窓から1メートルほど離れた場所。直射日光は影が強すぎるので、レースのカーテン越しがちょうどいいです。蛍光灯の下で撮った写真は、どうしても色が濁ります。
2. 白い紙か布を、影側に立てる
窓の反対側に白い画用紙を立てるだけで、暗く落ちていた側に光が回ります。専用のレフ板は要りません。この一手間で、写真の印象がはっきり変わります。
3. 背景を無地にする
事務所の机、書類、コンセント。写り込むと一気に生活感が出ます。白い模造紙を1枚敷くだけで十分です。
4. 同じ商品を4カット撮る
- 全体が分かる正面
- 素材感が分かる寄り
- 裏側や底、留め具などの細部
- 使っている場面、または手やコインと並べたサイズ比較
4番目のサイズ比較は、返品や「思っていたのと違う」を減らします。寸法をミリ単位で書いても、多くの人は頭の中で変換できません。
5. スマホで十分。ただし縦横をそろえる
今のスマホのカメラは、商品写真には十分です。それより効くのは、全商品の写真の比率と背景をそろえること。一覧ページに並んだときの印象がまるで違います。
プロに頼んだほうがいい場面
自分たちで撮るのをおすすめしないケースもあります。
- 金属・ガラス・漆器など、光の反射が難しいもの。撮影者や周りが映り込んでしまい、素人ではまず制御できません
- 料理。湯気、照り、盛り付けの角度が売上に直結します
- 人が入る写真。スタッフ紹介や施術風景は、表情と光の当て方の差が大きい
- ブランドの顔になる数枚。トップページやパンフレット、広告に使う写真
- 商品点数が多く、社内に撮る時間がないとき。100点を自分で撮ると、まる数日が消えます
逆に、点数が多くて予算が限られている場合は、全部プロに頼む必要はありません。看板になる十数点だけプロに撮ってもらい、残りは同じ設定を真似して自社で撮る。この分け方が現実的です。撮影に立ち会って、光の作り方を教わっておくと次から自分たちでできます。
頼むときに伝えておくこと
- どこで使うか(EC・パンフレット・広告・SNS)。用途で構図も枚数も変わります
- 何点撮るか。1日で撮れる点数には限りがあります
- 背景を白抜きにするか、雰囲気のある背景にするか
- モデルや手が必要か
- 納品形式と、加工をどこまでするか
この5つが決まっていないと、見積が出せません。逆にここを整理して持っていくと、金額の比較もしやすくなります。
撮影当日、こちらで用意しておくこと
プロに頼む場合、事前準備で仕上がりも時間も変わります。
- 商品をきれいにしておく(指紋、ほこり、糸くず。あとから消す加工には費用がかかります)
- 撮る順番のリストを作る。似た商品をまとめると効率が上がります
- 価格表やパッケージなど、一緒に写したいものを揃えておく
- 撮影場所の電源とスペースを確保しておく
- 当日、その場で判断できる人が立ち会う
5番目が抜けると、撮り直しが発生します。「この角度でいいか」を後日確認する形にすると、また日を改めることになりかねません。
加工はどこまでやるか
撮ったあとの処理も、費用の分かれ目になります。
- 色の補正と明るさの調整:ほぼ必須。実物と色が違うと返品につながります
- 背景の白抜き:モールに出すなら必要になることが多い。1点ずつ手間がかかります
- 不要物の消し込み:床の傷、映り込みなど。点数が多いと積み上がります
- 文字入れ:一覧で目を引きますが、入れすぎると安っぽく見えます
特に1つ目は妥協しないでください。画面で見た色と届いた色が違うというのは、ネット販売でいちばん多いクレームです。
写真を変える前に、1つだけ確認
撮り直しは効果が出やすい施策ですが、順番があります。そもそもページを見てもらえているのか。アクセスが1日数件しかない状態で写真だけ良くしても、変化は見えません。
アクセスがあるのに売れていないなら、写真の可能性が高い。アクセス自体がないなら、先に集客を考える。ここを取り違えると、労力が空回りします。





