COLUMN

楽天・Amazonに出すか、自社ECにするか

2026.09.11最終更新 2026.09.09

Web制作

楽天・Amazonに出すか、自社ECにするか

「楽天に出したほうがいいですか、それとも自社のショップですか」

ネット販売を始める会社が、最初にぶつかる分かれ道です。どちらか一方が正解ということはなく、何を優先するかで答えが変わります。順番に整理していきます。

いちばん大きな違いは「お客様が誰のものか」

機能や費用の話の前に、ここを押さえておくと判断が早くなります。

モールに出店すると、モールが集めた買い物客の前に商品を並べることになります。人がすでにいる場所なので、開店直後から注文が入る可能性があります。その代わり、買ってくれた人の情報はモールのルールの中にあり、自由には使えません。

自社ECは逆です。誰も来ないところに店を建てるので、集客は自分でやる必要があります。ただ、買ってくれた人とは直接つながれます。メールを送ることも、次の商品を案内することもできます。

モールが向いているケース

  • 商品名で指名検索されるような、すでに知られた商品を持っている
  • 価格や品質で比較されても勝てる自信がある
  • 「まず売上を立てたい」という段階
  • 広告やSNSを自社で回す人手がない
  • 在庫を早く動かしたい

特に、食品や日用品のように「探して買われる」商品は、モールと相性が良いです。すでに欲しいものが決まっている人が来るからです。

自社ECが向いているケース

  • 商品の背景やこだわりを説明しないと価値が伝わらない
  • リピートしてもらう商売にしたい(定期購入、消耗品、季節ごとの案内)
  • すでにSNSや既存顧客とのつながりがある
  • ブランドの世界観を崩したくない
  • 価格競争に巻き込まれたくない

地域の産品や、作り手の顔が価値になる商材はこちらです。モールでは、周りの安い商品と並べられてしまいます。

費用の考え方

各社の料率は改定されるので具体的な数字は書きませんが、構造だけ押さえておいてください。

  • モール:初期は軽い。売れるたびに手数料がかかる。さらにモール内の広告費が実質的に必要になることが多い
  • 自社EC:作る費用がかかる。売れたときの負担は軽い。ただし集客の広告費は別に必要

よく誤解されるのが、モールは出せば勝手に売れる、という前提です。実際には出店者数が多く、上位に表示されるためにモール内広告を使っている店がほとんどです。「手数料さえ払えば集客はお任せ」とはなりません。

現実的なのは、順番に両方

私たちがよくご提案するのは、どちらかを選ぶのではなく順番を決めるやり方です。

  1. モールに出して、まず売れる商品と売れない商品を見極める
  2. どんな言葉で検索されて買われているかを、モールの管理画面で確認する
  3. そこで得た手応えをもとに自社ECを作る
  4. 同梱物やSNSで、モールのお客様を自社ECに案内していく

4番目にはモールごとのルールがあるので、規約の範囲内で進める必要があります。ただ、モールで得た学びを自社ECに持ち込めるのは大きい。ゼロから自社ECを作って何が売れるか分からないまま走るより、確実です。

逆のパターンもあります。先に自社ECを作って世界観を固め、そのうえで販路としてモールに出す。ブランド性の高い商材ではこちらのほうが向きます。

モールに出すときに、想像より重いこと

「出店するだけ」と思われがちですが、開店までの作業は自社ECを作るのと大差ありません。

  • 商品ページの作成。モールごとに求められる項目や画像の規格が違い、同じデータを使い回せないことがある
  • カテゴリの選び方。ここを間違えると、探している人に見つけてもらえません
  • レビューがゼロの状態からのスタート。最初の数件が集まるまでは動きが鈍い
  • セールやポイント施策への参加判断。参加しないと埋もれ、参加すると利益が薄くなる

4番目は、始めてみて初めて重さが分かる部分です。モールには販促の企画が定期的にあり、参加を前提とした価格設計を最初から組んでおく必要があります。定価をそのまま並べる感覚だと、利益が合わなくなります。

両方やるときの注意点

  • 在庫の二重管理。売り切れているのに注文が入る事故がいちばん多いトラブルです。在庫連携の仕組みを最初に決めておく
  • 価格の整合性。同じ商品が場所によって違う値段だと、不信につながります
  • 作業量。商品登録も問い合わせ対応も、単純に倍になります

3番目を甘く見て、モールに出したものの更新が止まってしまった店を何度も見ています。人手が足りないなら、片方に絞るほうが結果は出ます。

まとめ

探して買われる商品ならモール、説明して買われる商品なら自社EC。迷ったらモールで手応えを見てから、自社ECを作る。この順番が失敗しにくいです。

どちらを選ぶにしても、決め手になるのは商品の性格と、社内で動ける人の数です。この2つを先に確認してから、販路の話に進んでください。

KOiKiでは自社ECの制作に加えて、楽天やAmazonへの出店代行も行っています。どちらが合うか判断がつかない段階でも大丈夫ですので、お気軽にご相談ください。モール出店代行のサービスページもあわせてご覧ください。

RELATED SERVICE

モール出店・売上支援サポート/Webサイト・ECサイト制作

ご状況をお聞きしたうえで、必要なところだけご提案しています。

article author

株式会社KOiKi 代表取締役 中谷 蓉織

代表取締役 中谷 蓉織

福井市を拠点に、Web・広告・グラフィック・パッケージなど幅広いデザイン分野で
16年以上のキャリアを持つクリエイティブディレクター。 企業や店舗のブランディング、Webサイト制作、SNS運用、広告設計など、トータルな集客支援を行う