
ハローワークの求人票を、あらためて読んでみてください。書いてあるのは、職種、雇用形態、賃金、就業時間、休日、加入保険、必要な資格。ほぼこれだけです。
様式が決まっている以上、当然のことです。ただ、応募する側が知りたいことの多くは、この枠の外にあります。そこを埋めるのがWebの役割になります。
求人票の中に収まらないもの
条件面が並んでいても、次のようなことは分かりません。
- 誰と働くのか。上司はどんな人で、同世代はいるのか
- 仕事の中身。「事務」と書かれていても、電話が多いのか、数字を扱うのかで全然違います
- 入社してからの変化。3年後にどんな仕事をしているのか
- 職場の空気。静かなのか、よく喋るのか、休憩をどう過ごしているのか
- 何を評価されるのか。真面目に続けることか、新しい提案を出すことか
応募をためらう理由は、たいてい条件ではなく、この見えない部分にあります。給与が近い会社が2社並んだとき、選ばれるのは中身が想像できるほうです。
社員インタビューは、質問を絞ると効きます
いちばん手軽で、効果が出やすいのが社員インタビューです。ただ「入社の決め手は?」「やりがいは?」だけだと、どの会社も同じ答えになります。
聞くなら、こういう質問がおすすめです。
- 入社前に想像していたことと、違ったことは何ですか
- いちばん大変だった時期と、どう乗り越えましたか
- 昨日は何時に出社して、何をして、何時に帰りましたか
- この仕事が向いていないのは、どんな人だと思いますか
- 他の会社に移ろうと思ったことはありますか
耳ざわりのいい答えばかりが並ばないよう、あえて答えにくい質問を混ぜます。話してくれた内容は、整えすぎずに載せてください。方言も、言いよどみも、そのまま残っているほうが伝わります。読む人は、文章の巧みさではなく、人が実在するかを見ています。
数字を出せると、一気に具体的になります
言葉で「働きやすい職場です」と書く代わりに、数字を置いてみてください。
- 従業員数と平均年齢、男女比
- 昨年の有給休暇の平均取得日数
- 月あたりの残業時間の実数
- 直近3年の入社人数と、そのうち今も在籍している人数
- 未経験で入った人の割合
数字が良くない項目は、無理に載せなくて構いません。ただ、載せられる数字が1つもない状態なら、まず社内の実態を測るところからです。測っていないものは、良くも悪くも改善のしようがありません。まずは昨年分を集計してみてください。
写真は、実際の場所を実際の明るさで
会議室でかしこまって撮った集合写真より、現場で働いている場面のほうが情報量があります。作業台、使っている道具、休憩スペース、駐車場。応募する人は、そこに自分が立っている姿を想像しながら見ています。
加工しすぎないでください。明るく補正した写真と実物の落差は、入社後の不信につながります。整えるのは片付けまでで十分です。
短い動画も効きます。1分ほどで構いません。事務所や工場の中を歩きながら撮るだけで、写真では伝わらない広さや音、人の動きが伝わります。凝った編集は不要で、スマホで撮ったものをそのまま載せているほうが、かえって信用されます。応募を迷っている人にとっては、完成度より実際の様子が見えることのほうが価値があります。
求人票からサイトへ、導線をつなぐ
せっかくページを作っても、求人票を見た人がたどり着けなければ意味がありません。求人票の備考欄に会社名とサイトのURLを入れる、求人媒体の企業ページから自社サイトへリンクする、会社説明会の資料にQRコードを載せる。この一手間で、見られる回数が変わります。
そして、応募の入口はできるだけ短くしてください。履歴書の郵送のみ、電話のみ、という会社は、それだけで候補から外れます。スマホから名前と連絡先だけで送れるフォームを1つ置き、そこから面談日程の相談に進む形が現実的です。
社長の言葉は、短く、最後に
代表メッセージを最初に大きく置いているページをよく見かけます。ただ、応募する人がまず知りたいのは、一緒に働く人と仕事の中身です。社長の言葉は、後ろのほうに短く置くくらいがちょうどいい配置になります。
内容も、経営理念より「どんな人に来てほしいか」を具体的に書くほうが届きます。300字ほどで構いません。長い文章は、思いの強さではなく、読み手の負担として受け取られます。
更新は年1回でも構いません
採用ページは、頻繁な更新を必要としません。ただし、インタビューに登場している人が退職したら差し替えてください。辞めた人が笑顔で語っているページは、事情を知る人にとって不自然に映ります。
募集を締め切ったときに、ページを消す必要もありません。「今期の募集は終了しました。次回は◯月ごろの予定です」と一行足しておけば、興味を持った人が次を待ってくれることがあります。
何から書けばいいか分からない、という段階でのご相談も受けています。実際に作ったページは制作実績のページでご覧ください。





