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リールは効くのか。福井の店舗で試してわかったこと

2026.09.23最終更新 2026.09.09

集客・SNS

リールは効くのか。福井の店舗で試してわかったこと

リールを回し始めて最初にぶつかったのは、「再生数は伸びているのに、店にはその気配がない」という現象でした。

私たちがお預かりしている福井県内の店舗アカウントで、写真投稿とリールを並行して回してきました。数字の出方が写真とはまるで違うので、そこで分かったことを書いておきます。

再生数は、写真投稿とは桁が変わります

同じ内容を写真投稿とリールの両方で出してみたことがあります。届いた人数は、リールのほうが明らかに多くなりました。写真投稿がフォロワーの中で回るのに対して、リールはフォロワー以外にどんどん流れていきます。

ここまでは想像どおりでした。問題はその先です。再生数が跳ねた週に、来店やお問い合わせが同じように跳ねたかというと、そうはなりませんでした。再生数と売上は、同じ線の上に乗っていません。

原因は「どこの人に届いたか」でした

インサイトで視聴者の地域を見ると、伸びた回ほど県外の比率が高くなっていました。東京や大阪の方に何万回再生されても、福井の店舗には来られません。

全国相手の通販なら、これは大きな成果です。ただ来店してもらう商売では、県内と近隣県にどれだけ届いたかがすべてになります。見る場所を、再生数から地域の内訳に変えました。

この視点を持ってから、投稿の作り方も変わりました。全国で流行っている音源に乗せた汎用的な内容より、地名や地元の話題を入れた内容のほうが、再生数は落ちても来店につながる。そういう手応えが出てきています。福井は人口が多い県ではないので、届く総数を追いかけると、必ず県外に引っ張られます。

試して差が出た3つのこと

作り方も、いくつか変えながら試しました。全部が当たったわけではありませんが、はっきり差が出たものを挙げます。

  1. 冒頭2秒。店名やロゴから始めた回と、いきなり本題から始めた回で、最後まで見られた割合が変わりました。名乗りは後ろに回したほうが残ります
  2. 音声の有無。店主が話しているリールのほうが、滞在が伸びました。ただし多くの人は音を出さずに見ているので、字幕は必ず入れます
  3. 尺。長く作りたくなりますが、15秒前後が扱いやすい長さでした。伝えたいことが2つあるなら、2本に分けたほうが両方見てもらえます

あわせて見ているのが、プロフィールへの遷移数です。動画を見た人のうち、何人がアカウントの入り口まで来たか。ここが動いていない回は、どれだけ再生されても商売には返ってきません。逆に再生数が地味でも遷移が多い回は、次に似た内容を作ります。

投稿の内容そのものより、投稿してからの動きを見るようになったのも変化でした。コメントに返す、保存された投稿を後から見返せる場所にまとめる。出しっぱなしにしない運用のほうが、同じ本数でも結果が違ってきます。

リールが向く商売と、そうでもない商売

半年ほど回してきて、向き不向きははっきりあると感じています。

動きのあるもの、変化が見えるもの、音が気持ちいいもの。飲食の調理、美容の施術前後、工場の機械、職人の手元。こうした商材はリールと相性がいいです。

一方で、士業や設備工事のように、検討期間が長く比較されてから選ばれる仕事は、リールで急に依頼が増えることはまずありません。この場合は無理に動画を作るより、検索したときに情報が揃っているほうが効きます。リールは「知らない人に知ってもらう」道具で、「迷っている人に決めてもらう」道具ではありません。

決めてもらう役割は、ホームページや、じっくり読ませる写真投稿のほうが得意です。リールで入ってきた人が、プロフィールから他の投稿やサイトに進んで、そこで判断する。この流れができて初めて、動画の再生数が意味を持ちます。

この2つが動いていれば、店の前を通ったことのない人が、こちらを見つけて調べ始めたということです。売上に返ってくるのは、そこから先の話になります。

作り続けるための現実的な話

もうひとつ気をつけているのが、音源の扱いです。流行の曲を使うと届きやすくなる場面はありますが、商用アカウントで使えない音源もあります。使える音源だけが出る設定になっているかを確認して、迷うときはナレーションと環境音で作ります。せっかく伸びた投稿が消えるほうが痛いです。

撮影の負担についても書いておきます。

1本のリールにかかる時間は、慣れないうちで2〜3時間ほど。これを週2本、通常業務の横でやるのは負担が大きすぎます。私たちも、撮影日にまとめて素材を撮り、そこから複数本を切り出す形に落ち着きました。機材はスマホで足ります。三脚と、屋内なら小さなライトが1つあれば見え方が変わります。

それと、伸びない回は普通にあります。同じ作り方をしても、10倍違う日があります。数字がぶれるものなので、1本ごとに一喜一憂せず、1ヶ月単位で平均を見るようにしてください。

リールを始めるかどうかで迷っているなら、まず4本だけ作って、視聴者の地域とプロフィールへの遷移を見てください。ここまでやれば、自社の商売に効く道具かどうかの見当がつきます。効かないと分かることにも、それだけの価値があります。

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株式会社KOiKi 代表取締役 中谷 蓉織

代表取締役 中谷 蓉織

福井市を拠点に、Web・広告・グラフィック・パッケージなど幅広いデザイン分野で
16年以上のキャリアを持つクリエイティブディレクター。 企業や店舗のブランディング、Webサイト制作、SNS運用、広告設計など、トータルな集客支援を行う