
「フォロワーが1,000人を超えたのに、売上が変わらないんです」。SNSの相談で、いちばん切実な言葉かもしれません。
フォロワー数は、いちばん目に入りやすく、いちばん商売から遠い数字です。運用の良し悪しをこれ1つで判断すると、努力の方向がずれていきます。では何を見ればいいのか、順番に書きます。
フォロワーが増えても売上が動かない理由
理由は単純で、増えたフォロワーが「買える人」ではないからです。福井の美容室のアカウントを、関東の同業者や、SNSを勉強中の方がフォローすることはよくあります。フォローされた事実は嬉しいのですが、その方々は来店できません。
プレゼント企画で一気に増やしたフォロワーも同じです。応募が目的なので、終わればほとんど反応しなくなります。数だけ残って、反応率が下がる。この状態になると、投稿が届く範囲までじわじわ狭くなっていきます。
見るべきは、数ではなく中身と動きです。どこの人が、どう動いたか。ここに絞って4つの数字を挙げます。
1 保存数
いちばん最初に見てほしい数字です。いいねは知り合いや惰性でも押されますが、保存は「あとで見返したい」と思われた証拠になります。料金表、使い方、比較、チェックリスト。判断の材料になる投稿は保存されます。
保存が多い投稿は、内容そのものが求められている投稿です。同じテーマで角度を変えて作り直すと、たいてい次も伸びます。逆に保存がまったくつかない型は、思い切ってやめてしまって構いません。
2 プロフィールへの遷移率
投稿を見た人のうち、何人がプロフィールまで見にきたか。ここが商売につながる最初の関門になります。投稿は面白かったけれど、店を知ろうとまでは思われなかった。遷移が少ない投稿は、そういう状態です。
数字が低いときは、投稿の最後で何も言っていないことが多いです。「詳しくはプロフィールから」の一言があるかどうかで、動き方が変わります。誘導は押しつけがましく感じるかもしれませんが、書かれていないものはクリックされません。
3 リンクのクリック数と、予約・問い合わせの数
プロフィール欄のリンクが何回押されたか。ホームページや予約ページを置いているなら、ここが売上に最も近い数字です。
リンク先がスマホで見づらい、電話番号が押せない、予約フォームの項目が多すぎる。せっかく来てもらってもここで落ちます。SNSを頑張る前に、受け皿の側を直したほうが早いことがよくあります。
4 来店・問い合わせのときの「どこで知ったか」
これはアプリの中では取れません。お客様に直接聞くしかない数字です。予約時のひとことでも、来店時の会話でも構いません。記録に残してください。
アプリの数字は「どこまで届いたか」しか教えてくれません。最後に何が決め手だったかを知っているのは、お客様だけです。この記録が3ヶ月分たまると、SNSに使っているお金と時間が見合っているかを判断できるようになります。
記録を続けていると、思っていたのと違う投稿が効いていたことに気づきます。力を入れて作った投稿より、何気なく撮った作業風景のほうが問い合わせにつながっていた。こうした発見は、記録を取っていた会社にしか手に入りません。
逆に、見なくていい数字
数字を見始めると、今度は全部が気になり出します。優先度の低いものも挙げておきます。
- いいねの数。押す人の顔ぶれが偏りやすく、内容の評価としては弱い指標です
- ハッシュタグ経由の表示数。以前ほど大きく効かなくなっており、ここを増やす工夫に時間をかけるのは効率が悪いです
- 同業他社のフォロワー数。相手の商圏も予算も分からないので、比べても打ち手が出てきません
- 1日単位の増減。土日や投稿の有無で動くので、週または月でまとめて見てください
目安の数字を知りたいというご質問もよくいただきますが、業種と地域で幅が大きく、他社の平均値はあまり役に立ちません。比べる相手は先月の自分たちです。3ヶ月前と比べて保存が増えているなら、その運用は前に進んでいます。
聞き方は難しく考えなくて構いません。「今日はどちらでお知りになりましたか」と一言添えるだけです。答えづらそうにされる方には、深追いしないでください。
月1回、A4一枚に書き出す
難しい分析は要りません。月末にこの4つの数字と、その月に伸びた投稿・沈んだ投稿を1枚に書く。それだけで、翌月に何を増やして何をやめるかが見えてきます。
ある士業の事務所さまでは、月2回の定例で数字を一緒に見る時間をつくり、半年でアクセスが大きく伸びました。作業を増やしたのではなく、見る場所を決めて、毎回同じ形で振り返っただけです。振り返りの時間を予定表に入れてしまうのが、いちばん確実な方法になります。
数字は、頑張りを採点するためのものではありません。次にどこへ力をかけるかを決めるための材料です。フォロワー数だけを見ていると、その材料が手に入らないまま時間が過ぎていきます。
どの数字をどう見ればいいか、判断に迷ったら遠慮なく聞いてください。運用の考え方はSNS運用代行のページにまとめています。




