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小さな会社がAIを使い始めた、最初の1ヶ月の記録

2026.10.09最終更新 2026.09.24

DX・AI

小さな会社がAIを使い始めた、最初の1ヶ月の記録

KOiKiの中谷です。弊社は少人数の会社です。そこにAIを入れた最初の1ヶ月に何をしたか、週ごとに書き残しておきます。

導入と言っても、大がかりなシステムを買ったわけではありません。月額のサービスを契約して、業務のどこに使うかを決めていっただけです。同じ規模の会社の参考になればと思って書きます。

1週目 使う場所を3つに絞った

最初にやったのは、絞ることでした。何にでも使えると言われると、かえって誰も使いません。全員が毎日やっている作業の中から、次の3つに限定して始めました。

  • 打ち合わせの録音から議事録をまとめる
  • メールや提案書のたたき台を作る
  • 長い資料や仕様書を要約して、要点を拾う

共通しているのは、出てきたものを人が必ず読み直す作業であることです。そのまま外に出るものからは外しました。時間短縮の効果は、議事録がいちばん大きく出ました。1時間の打ち合わせの記録が、これまでの半分以下の手間で残せるようになりました。

逆に、期待したほど時間が減らなかったのは要約でした。長い資料の要点は出てきますが、抜け落ちた部分がないかを確認するために結局全部読むことになり、二度手間になった場面もありました。

2週目 入れてはいけない情報を決めた

使い始めてすぐ、ルールが必要だと分かりました。便利さより先に、線を引くほうが急ぎでした。社内で決めたのは次の4つです。

  1. お客様の個人情報、顧客名簿、未公開の見積書は入れない
  2. IDやパスワード、サーバーの接続情報は入れない
  3. お客様の社名が特定できる形の相談内容は、匿名化してから入れる
  4. 迷ったら入れない。判断がつかないものは社内で共有して決める

合わせて、お客様の情報を扱う案件でAIを使う場合は、事前に確認を取ることにしました。契約書に守秘の条項がある以上、こちらの都合で判断してはいけない部分です。この確認をルール化しておくと、現場が迷わなくなります。

3週目 よく使う指示を社内で共有した

同じ作業でも、指示の出し方で結果が大きく変わります。人によって差が出ていたので、うまくいった指示文を社内のドキュメントに貼っていく形にしました。

使い方のコツを1つだけ挙げるなら、条件を細かく書くことです。「議事録を作って」ではなく「決まったこと、持ち帰りになったこと、次回までの宿題を、担当者名つきで箇条書きに」と書く。指示が具体的なほど、直す手間が減ります。

指示文をためておく効果は、思ったより大きく出ました。誰かが見つけた良い書き方が、翌日には全員の手元にある。一人で試行錯誤するより、はるかに早く上達します。

4週目 効果が出なかったことをやめた

うまくいかなかったことも書いておきます。最初、コラム記事をまとめて作らせようとしました。文章は一応それらしく出てきます。ただ、読み返すと全部同じ調子で、弊社が話すときの言葉になっていませんでした。結局ほぼ書き直しになり、自分で書くより時間がかかりました。

デザインの案も同じでした。たたき台としては使えますが、なぜその配置なのか、なぜその色なのかという理由がありません。理由のないデザインは、お客様に説明できません。

この2つは、翌月からやめました。作業は任せられても、判断は任せられない。1ヶ月やって、いちばんはっきりしたのがこれでした。

設計と判断は、人がやり続けています

弊社は「AIでは作れない、Web集客」を掲げています。AIを使いながらそう言うのは矛盾に見えるかもしれませんが、指しているものが違います。

誰に届けるのか、何を強みとして出すのか、どの言葉なら地元のお客様に届くのか。この設計は、その会社の商売と、地域の事情を知らないと決められません。お客様の工場に伺って、社長が困っている顔を見て、そこから決めることです。

AIが引き受けてくれたのは、その手前と後ろにある作業でした。調べる、まとめる、下書きを起こす、確認漏れを探す。ここが速くなった分の時間を、お客様と話す時間に回しています。

費用の話もしておきます。契約したのは1人あたり月数千円のサービスで、専用のシステムを作ってはいません。小さな会社が始めるなら、この規模で十分です。効果が見えないうちから開発に投資すると、使われないまま費用だけが残ります。まず市販のもので試して、業務に合わないと分かってから作る順番をおすすめします。

これから始める会社へ

順番としては、①使う作業を3つに絞る、②入れてはいけない情報を決める、③うまくいった指示を共有する、④効かなかったものをやめる。この4週間で回してみてください。

最初から全社に広げようとすると、必ず止まります。1人か2人で試して、手応えのあった使い方だけを渡していくほうが、結果的に早く定着します。うまくいかなかった使い方を、やめる決断も含めて記録しておいてください。

同じ規模で悩んでいる方がいれば、うちの失敗も含めてお話しできます。業務改善の取り組みはサービス紹介のページにも載せています。

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株式会社KOiKi 代表取締役 中谷 蓉織

代表取締役 中谷 蓉織

福井市を拠点に、Web・広告・グラフィック・パッケージなど幅広いデザイン分野で
16年以上のキャリアを持つクリエイティブディレクター。 企業や店舗のブランディング、Webサイト制作、SNS運用、広告設計など、トータルな集客支援を行う