COLUMN

AIで業務改善する現実的な方法。小さな会社の実践記録

2026.07.22

AIで業務改善、という言葉があふれていますよね。正直、「本当にそんなにうまくいくの?」と思っている方も多いんじゃないでしょうか。

今日は一般論ではなく、私たちKOiKi自身の話をします。うちは福井の小さな制作会社ですが、ここ数年、AIを日常業務にかなり組み込んできました。うまくいったことも、期待外れだったことも、両方あります。その実践記録を、できるだけ正直に書いてみます。

先にお伝えしておくと、この分野は変化が本当に速いです。この記事に書いたことも、数ヶ月後には状況が変わっているかもしれません。その前提でお読みください。

私たちが実際にAIを使っている業務

今、KOiKiの中でAIが日常的に働いている場面はこんな感じです。

  • 文章の下書き:コラム記事、SNS投稿案、提案書の構成案などの「たたき台」づくり
  • 打ち合わせの整理:録音の文字起こしと議事録の要約
  • リサーチの補助:業界情報の整理や、調べものの最初の一歩
  • 制作の補助:Webサイトのコード作成やチェック
  • アイデア出し:企画の壁打ち相手として

体感として一番効果が大きいのは「たたき台づくり」です。ゼロから書き始めるのと、7割できた下書きを直すのとでは、心理的なハードルが全然違うんですよね。白紙とにらめっこする時間が減ったのは、間違いなくAIのおかげです。

議事録の要約も地味に効いています。以前は打ち合わせのあと、メモを整理して共有するまでに時間がかかっていましたが、今は録音を文字起こしして要約させ、それを人間が確認・修正して共有する流れが定着しました。「あの件どうなってましたっけ」と記憶を探る時間が減ったのは、小さいようで大きな変化です。

正直に言うと、失敗もたくさんあります

いいことばかり書いても仕方ないので、うまくいかなかったことも書きます。

まず、AIは平気で間違えます。それらしい文章で、存在しない情報を書いてくることがあるんです。固有名詞、数字、制度の内容。この辺りは特に危なくて、必ず人間が元情報にあたって確認しています。実際、下書きの中に事実と違う記述がしれっと混ざっていて、確認段階で気づいたことは一度や二度ではありません。お客様に出すものでこれをサボると、信頼を失いかねません。

次に、AIの文章はそのままだと「誰の言葉でもない文章」になりがちです。当たり障りがなくて、その会社らしさがない。うちでは下書きをAIに任せても、最後は必ず自分たちの言葉に直します。ここを省くと、発信する意味自体が薄れてしまうと感じています。

そして、機密情報の扱い。お客様の情報や社外秘のデータを安易にAIツールに入力するのは避けるべきです。うちでは「何を入力してよくて、何がダメか」の線引きを決めています。

小さな会社がAIを導入する現実的な手順

自社の経験から、おすすめの手順はこうです。

  • まず社長か旗振り役が、無料プランで1ヶ月触ってみる。とにかく毎日使ってみる
  • 「これは使える」と感じた業務をひとつ選ぶ(議事録要約あたりが手応えを得やすいです)
  • その業務だけ、AIありのやり方を仕事の手順に組み込む
  • 機密情報の入力ルールを決めて、社内に共有する
  • 慣れてきたら有料プランや他の業務への展開を検討する

大事なのは、「AIを入れるぞ」と気負わないことです。新しい道具がひとつ増えた、くらいの感覚で小さく始める。うちもそうやって始めて、気づいたら手放せなくなっていました。逆に、最初から全社導入や高額なツール契約を目指すと、使いこなせないまま費用だけが残るリスクがあります。道具は、使う人の習慣が育ってはじめて意味を持つものだと思います。

AIに任せること、人がやることの線引き

数年使ってきて、私たちの中の結論はシンプルです。AIが得意なのは「量とスピード」、人がやるべきなのは「判断と責任」です。

下書きはAI、最終判断は人。要約はAI、お客様への説明は人。案出しはAI、選ぶのは人。この線引きさえ守れば、AIは本当に頼れる仲間になります。逆に、確認も判断も丸ごとAIに預けてしまうと、いつか必ず事故が起きると思っています。特に、お金や契約、健康や法律に関わる内容は、AIの出力をそのまま使わず、必ず一次情報や専門家にあたる。ここだけは、どれだけAIが進化しても変えないつもりです。

まとめ

AIによる業務改善は、魔法ではありませんが、現実的な効果があります。特に文章のたたき台づくりと情報の整理は、専任のIT担当がいない小さな会社でも、今日から恩恵を受けられる領域です。まずは無料で、旗振り役がひとりで触ってみるところからで十分です。一方で、間違いのチェック、自社らしさへの修正、機密情報のルールづくりは人間の仕事として残ります。

「うちの業務だとどこに使えそうか」「何のツールから触ればいいか」というご相談も、実体験ベースで率直にお話しできます。お気軽にご相談ください。DXの始め方についての記事もあわせてどうぞ。

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株式会社KOiKi 代表取締役 中谷 蓉織

代表取締役 中谷 蓉織

福井市を拠点に、Web・広告・グラフィック・パッケージなど幅広いデザイン分野で
16年以上のキャリアを持つクリエイティブディレクター。 企業や店舗のブランディング、Webサイト制作、SNS運用、広告設計など、トータルな集客支援を行う