KOiKiの中谷です。今回は少し耳の痛い話かもしれません。テーマは「丸投げ」です。
「プロにお金を払うんだから、全部お任せで良いものを作ってほしい」。このお気持ち、すごくよくわかります。忙しい経営者の方にとって、ホームページに割ける時間は限られていますから。
ただ、長くこの仕事をしてきて確信していることがあります。完全な丸投げで作ったホームページは、ほぼ確実に「無難だけど成果の出ないサイト」になるんです。今回は、制作会社の内側からその理由を正直にお話しして、そのうえで「ちょうどいい任せ方」をご提案します。
丸投げがうまくいかない理由は、制作会社の能力不足ではありません
丸投げで失敗すると「あの制作会社は腕が悪かった」という話になりがちですが、実は腕の問題ではないことが多いんです。本当の理由はシンプルで、ホームページで一番大事な情報は、制作会社の中ではなく、お客様の中にしかないからです。
- お客様がどんな言葉で悩みを相談してくるか
- 他社ではなく御社が選ばれるとき、決め手は何だったか
- 現場のどんなこだわりが、品質を支えているか
こうした情報は、どれだけ優秀な制作会社でも、外から調べるだけでは手に入りません。丸投げされた制作会社は、業界の一般論と想像で埋めるしかなくなります。その結果できあがるのが、「きれいだけど、どこかで見たことのある、誰の心にも引っかからないサイト」なんです。
これは業界の構造的な問題で、どの制作会社に頼んでも同じことが起きます。つまり、制作会社を替えれば解決する問題ではない、ということです。
ホームページの原材料は、社長の頭の中にあります
打ち合わせでお客様の話を伺っていると、「え、それ、なんでホームページに書いてないんですか」という瞬間が必ずあります。ご本人にとっては当たり前すぎて、価値だと気づいていない話。それこそが、他社と違いを生む一番の素材だったりします。
弊社がお手伝いした老舗のダンススクールさんは、8ヶ月かけてじっくり対話を重ねながら制作を進めました。時間はかかりましたが、その過程で出てきたスクールの歴史や先生の想いが、サイトの核になりました。急いで1ヶ月で作っていたら、あの内容には絶対にならなかったと思います。
制作会社の仕事は、無から何かを生み出すことではなく、お客様の中にある価値を引き出して、伝わる形に翻訳することなんです。原材料の提供だけは、お客様にしかできません。
取材の場では、「そんな当たり前のこと、話す価値ありますか?」とよく言われます。あります。社内の当たり前は、社外から見ると立派な個性です。むしろ、ご本人が当たり前だと思っている話ほど、掘る価値があると思って伺っています。
「ちょうどいい任せ方」はこれです
とはいえ、お客様に多くの作業をお願いしたいわけではありません。作業はこちらの仕事です。お願いしたいのは、次の3つだけです。
- 最初の設計段階で、話す時間をしっかり取っていただく(ここが一番大事です)
- 確認をお願いした際に、率直な意見を返していただく(遠慮された分だけ質が下がります)
- 「よくわからないからお任せ」ではなく、わからない点を質問していただく
逆に、デザインの細部や技術的な選択は、どうぞ任せてください。役割分担のイメージとしては、「素材と判断はお客様、調理と盛り付けは制作会社」です。良い食材を出していただければ、おいしく調理するのは私たちの仕事です。
この分担で進めると、途中の確認も楽になります。判断基準(最初に決めた目的)が共有されているので、「なんとなく違う」ではなく「目的に対してここがズレている」という建設的なやりとりができるからです。
時間を割いていただく価値は、あります
「そんなに関わる時間はないよ」と思われた方へ。正直に言うと、最初の設計段階に数時間いただくだけでも、仕上がりは大きく変わります。丸投げで作って成果が出ず、数年後に作り直すことを考えれば、最初の数時間はかなり割の良い投資だと思うんです。
それでもどうしても時間が取れない場合は、その旨を正直にお伝えください。取材の回数を絞る、メールでのやりとり中心にするなど、ご負担を減らす進め方も一緒に考えられます。
大事なのは、関わり方の濃淡を最初にすり合わせておくことです。「忙しいから任せたい」と「丸投げ」は違います。要所だけしっかり関わっていただければ、それは丸投げではなく、賢い任せ方です。
まとめ
丸投げがうまくいかないのは、制作会社の腕の問題ではなく、成果の源になる情報がお客様の中にしかないからです。素材と判断はお客様、形にするのは制作会社。この役割分担が、成果の出るホームページへの一番の近道だと思います。
弊社の打ち合わせは、尋問ではなく雑談に近い雰囲気ですので、身構えずにお越しください。話しているうちに、ご自身でも気づいていなかった会社の強みが見つかることもよくあります。まずはお気軽にご相談ください。制作の進め方は、ご依頼の流れのページでもご紹介しています。


